用語集

法改正・労務の用語集

記事に出てくる専門用語を、できるだけかみくだいて解説します。気になる用語から、関連する改正の解説に進めます。

SDS(安全データシート)
化学物質の危険有害性・取扱い上の注意などをまとめた文書。化学物質を譲渡・提供する際に交付が求められ、対象が段階的に拡大しています。
SSBJ(サステナビリティ基準委員会)
日本のサステナビリティ開示基準を策定する組織(Sustainability Standards Board of Japan)。有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の開示は、このSSBJが定める基準にもとづいて段階的に義務化されます。
WBGT(暑さ指数)
気温・湿度・輻射(ふくしゃ)熱を組み合わせて、熱中症のなりやすさを表す指数。28℃以上が職場の熱中症対策義務の目安の一つとされます。
斡旋・調停・仲裁
労働委員会が労働争議の解決のために行う3つの手続き。斡旋は斡旋員が当事者の間に入って話し合いを取り持つ最も簡易なもの、調停は調停委員会が調停案を作って受諾を勧告するもの、仲裁は原則として双方の申請により行われるものです。
インボイス(適格請求書)
消費税の仕入税額控除に必要な、登録番号や税率・税額を記載した請求書等。発行には適格請求書発行事業者の登録が必要です。
化学物質管理者
ラベル表示・SDS・リスクアセスメントなど化学物質管理の技術的事項を管理する担当者。対象物を扱う事業場は業種・規模を問わず選任が義務です。
カスタマーハラスメント
顧客や取引先からの著しい迷惑行為。事業主に対し、従業員を守るための対策が求められるようになります。
緊急調整
争議行為により国民経済の運行や国民の日常生活が著しく損なわれるおそれが現実にあるときに、内閣総理大臣が中央労働委員会の意見を聴いたうえで決定する手続き(労働関係調整法35条の2)。公表の日から50日間、当事者は争議行為をすることができません。
経過措置
新しいルールにすぐ対応できない場合に備え、一定期間は古い扱いを認めたり、段階的に施行したりするしくみ。猶予期間ともいえます。
公益事業(労働関係調整法)
運輸、郵便・信書便・電気通信、水道・電気・ガスの供給、医療・公衆衛生など、公衆の日常生活に欠くことのできない事業(労働関係調整法8条)。公益事業で争議行為をするには、10日前までに労働委員会と厚生労働大臣または都道府県知事へ通知する必要があります。
公布
成立した法律を官報に掲載して広く国民に知らせること。公布後、定められた施行日から効力が生じます。
合理的配慮
障害のある人が他の人と同じように活動できるよう、過重な負担にならない範囲で行う調整や変更。提供が義務化されています。
個人事業者等
雇用された労働者ではなく、自ら事業を行う人(フリーランス・一人親方など)。安全衛生の保護対象を広げる改正で、注文者・元方事業者の配慮が及ぶようになります。
個人ばく露測定
労働者個人が化学物質などにどれだけさらされたか(ばく露)を、その人の近くで測る測定方法。作業環境測定の一つとして位置づけが進んでいます。
施行(日)
成立・公布された法律が、実際に効力を持ち適用され始めること、またはその日。公布から施行まで時間が空くことがあります。
指定濫用防止医薬品
過量服用(オーバードーズ)対策として販売時の確認・情報提供が強化される市販薬。従来「濫用等のおそれのある医薬品」と呼ばれていた成分が位置づけ直されたもので、陳列も顧客の手の届かない場所か専門家から7メートル以内に限られます。
事務処理規程
電子取引データの訂正・削除の防止について社内のルールを定めた文書。国税庁が様式を公開しており、これを定めて運用すれば、タイムスタンプや専用システムがなくても改ざん防止の要件を満たせます。
重要電子計算機
サイバー対処能力強化法が対象とする電子計算機。施行令案では、経済安全保障推進法の特定社会基盤事業者が使用する特定重要設備であるものなどが挙げられています。自社が対象かどうかの判断の起点になる概念です。
ストレスチェック
労働者のストレスの状態を質問票で調べる検査。これまで50人以上の事業場に義務づけられていましたが、すべての事業場へ拡大される予定です。
政策活動費
政党から議員などへ使途公開なしに支出されてきた資金の通称。政治資金規正法の改正で実質的に禁止されました。
第1号被保険者
国民年金の加入区分の一つで、20歳以上60歳未満の自営業者・フリーランス・農業者・学生・無職の方など。会社員や公務員(第2号)、その扶養配偶者(第3号)とは保険料の納め方や使える制度が異なります。
短時間労働者
所定労働時間が正社員より短いパート・アルバイトなど。社会保険の適用拡大では、この人たちの加入要件(労働時間・賃金・企業規模)が論点になります。
抵触日
派遣先が同じ事業所で派遣を受け入れられる期間(原則3年)の上限を迎え、それ以上は受け入れられなくなる最初の日。労働者派遣法の条文にこの言葉はなく、40条の2第7項の「第一項の規定に抵触することとなる最初の日」を実務で略した呼び方です。事業所単位の抵触日は意見聴取を経て延長できますが、同じ人を同じ課で3年という個人単位の制限は延長できません。
電子取引
取引情報の授受を電磁的方式により行う取引(電子帳簿保存法2条5号)。メールでのPDF請求書のやり取り、サイトからのダウンロード、クラウドサービス、EDI、ペーパーレスFAXなどが該当し、データのまま保存する義務があります(法7条)。
特定受託事業者
フリーランス新法(取引適正化等法)で定義される、従業員を使わずに業務委託を受ける個人など。取引の適正化や労災特別加入の対象になります。
特定補助の仕組み
成年後見制度の見直しで設けられる選択肢。補助を開始した人が事理弁識能力を欠く常況にあると認定されるとき、法定の重要な財産行為についていずれも取消可能とする形を選べます(民法10条)。
特別加入(労災保険)
本来は労働者向けの労災保険に、中小事業主や一人親方・フリーランスなどが任意で加入できる制度。2024年からフリーランス全般に対象が広がりました。
一人親方
労働者を雇わず、自分自身で建設などの事業を行う個人。労災保険の特別加入や、現場の安全衛生対策の対象範囲の議論で登場します。
106万円の壁
短時間労働者が社会保険の加入対象となる賃金の目安(月8.8万円=年収約106万円)を指す通称。賃金要件の撤廃で見直されます。
標準報酬月額
社会保険料や年金額の計算の基礎になる、給与を区切りのよい等級に当てはめた金額。実際の保険料はこの額と料率で決まります。
保管証書遺言
民法等の改正(令和8年法律第45号)で新設される遺言の方式。パソコン等で作成した遺言のデータを法務局に提供し、本人が対面またはウェブ会議で全文を口述するなどして法務局が保管します。相続開始後の家庭裁判所の検認が不要になります。
元方事業者
一つの現場で、複数の請負事業者をまとめて仕事をさせている最も上位の事業者(多くは元請)。混在作業場所の連絡調整など安全衛生の措置義務を負います。
リスクアセスメント
作業に潜む危険性・有害性を洗い出し、その大きさを見積もって対策の優先度を決める一連の手順。化学物質の自律的管理の柱の一つです。
労使協定方式
派遣労働者の同一労働同一賃金を実現する2つの方式のうちの一つ。派遣元が過半数労働組合等と労使協定を結び、同種の業務の一般的な賃金水準以上の賃金を確保する方法です。もう一つは派遣先の労働者と比べる派遣先均等・均衡方式です。
労働争議
労働関係の当事者間で労働関係に関する主張が一致せず、そのために争議行為が発生している状態、または発生するおそれがある状態(労働関係調整法6条)。ストライキが実際に始まっていなくても、そのおそれがある段階で労働争議に当たります。
渡切り(政治資金)
使いみちを確認しないまま一括で渡すお金の渡し方。政治資金規正法の改正で、政治団体から役職員等への渡切りによる経費支出(いわゆる政策活動費)が禁止されます。

※ 用語の説明は概要です。正確な定義・適用範囲は各改正ページの一次情報(e-Gov・各省庁)でご確認ください。

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