ストレスチェックの全事業場への義務化(50人未満へ拡大)
施行日:2028年4月1日施行予定(2025年5月公布)
国会審議 → 施行までの進み方
施行まであと554日- 国会審議
- 成立
- 3 公布
- 4 施行 2028年4月1日施行予定(2025年5月公布)
公布済み。施行まであと554日です。
30秒でわかる:この改正のポイント
| いつから | 2028年4月1日施行予定(2025年5月公布) |
|---|---|
| 誰が対象 | 従業員50人未満の事業場を含む、すべての事業者(労務・総務) |
| 何が変わる | 附則第4条が削除され、条文どおり「行わなければならない」(義務)になる(2028年4月1日) / 産業医の選任義務がない事業場も実施者を確保する必要がある |
| 今やること | 自社の各事業場の人数を数え、現在すでに義務の対象の事業場がないか確認する(会社全体ではなく事業場ごと)(ほか4件は下のチェックリスト参照) |
かんたん要約
- ●50人未満(50名未満)の事業場にストレスチェックが義務化されるのは2028年(令和10年)4月1日からです。それまでは努力義務のままです。
- ●「50人」は会社全体ではなく事業場ごとに数えます。現在は、産業医の選任義務がない事業場(=常時50人未満)が努力義務とされています(労働安全衛生法 附則第4条の読み替え)。
- ●実施しなかったこと自体への直接の罰則はありませんが、労働基準監督署への報告をしなかった場合は50万円以下の罰金の対象です(第100条第1項・第120条第5号)。
対象となる人・企業
従業員50人未満の事業場を含む、すべての事業者(労務・総務)
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
常時50人未満の事業場は、附則第4条の読み替えにより「行うよう努めなければならない」(努力義務)
改正後(これから)
附則第4条が削除され、条文どおり「行わなければならない」(義務)になる(2028年4月1日)
改正前(これまで)
実施者(医師・保健師等)の確保は50人以上の事業場の課題
改正後(これから)
産業医の選任義務がない事業場も実施者を確保する必要がある
※ 施行日は労働政策審議会で示され、e-Gov法令検索の条文データでも2028年4月1日施行版から努力義務の特例(附則第4条)が削除されています。実施方法・報告義務の細目は今後の厚生労働省令で定められるため、最新の内容は厚生労働省の公表資料でご確認ください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 2025年5月14日 改正労働安全衛生法が公布
- 2028年4月1日(予定) 従業員50人未満の事業場にもストレスチェックの実施を義務化
50人未満はいつから義務になるのか
2028年(令和10年)4月1日からです。改正労働安全衛生法が公布されたのは2025年5月14日ですが、50人未満の事業場への拡大が施行されるのは公布日ではなく2028年4月1日です。e-Gov法令検索の条文データでも、2027年4月1日時点の労働安全衛生法にはまだ後述の努力義務の特例が残っており、2028年4月1日時点の条文でその特例が消えることが確認できます。今日から数えると準備期間はまだありますが、実施者の確保など外部との調整が必要な項目があるため、逆算して動く必要があります。
なぜ「50人未満」で線が引かれているのか(条文のしくみ)
ストレスチェックの根拠は労働安全衛生法第66条の10第1項で、条文そのものは「事業者は、労働者に対し……検査を行わなければならない」と書かれており、もともと事業場の規模を限定していません。規模の線引きは条文本体ではなく附則に置かれています。現行の附則第4条(心理的な負担の程度を把握するための検査等に関する特例)が、「第13条第1項の事業場以外の事業場」については、当分の間、第66条の10第1項の「行わなければ」を「行うよう努めなければ」と読み替える、と定めています。第13条第1項は産業医の選任義務の規定で、その対象は政令で常時50人以上の事業場とされています。つまり「産業医を選任しなくてよい事業場=常時50人未満」が、読み替えによって努力義務になっている、というしくみです。2028年4月1日にこの附則第4条がなくなるため、読み替えが消え、条文どおりの義務に戻ります。
「50人」は会社全体ではなく事業場ごとに数えます
実務で最も誤解が多いところです。労働安全衛生法の規模の判定は会社単位ではなく**事業場単位**で行います。本社40人・支店20人・工場30人の会社であれば、合計90人でも各事業場はいずれも50人未満なので、現時点ではどの事業場も努力義務にとどまります。逆に、1つの事業場に50人以上いれば、会社が小さくてもその事業場は現在すでに義務の対象です。2028年4月1日以降は、この数え方にかかわらずすべての事業場が対象になります。
実施しなかった場合の罰則はあるのか
ストレスチェックを実施しなかったこと自体に対する直接の罰則は、法律には定められていません。罰則を定める第120条が列挙する条文の中に、第66条の10は入っていないためです。ただし、第100条第1項にもとづく労働基準監督署への報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合は、第120条第5号により50万円以下の罰金の対象になります。現在この報告(検査結果等報告書の提出)が義務づけられているのは50人以上の事業場で、50人未満の事業場に報告義務まで課されるかどうかは、今後定められる厚生労働省令によります。「罰則がないから何もしなくてよい」という話ではなく、義務である以上、監督署の指導の対象にはなります。
義務化されると具体的に何をすることになるか
第66条の10が定める流れは次のとおりです。①医師・保健師など厚生労働省令で定める者による検査を行う(第1項)、②検査を行った医師等から本人に結果が通知されるようにする。このとき医師等は本人の同意なく結果を事業者に提供してはならない(第2項)、③一定の要件に該当する労働者から申出があれば、医師による面接指導を行う。申出をしたことを理由に不利益な取扱いをしてはならない(第3項)、④面接指導の結果を記録する(第4項)、⑤必要な措置について医師の意見を聴く(第5項)、⑥必要があれば就業場所の変更・作業の転換・労働時間の短縮・深夜業の回数の減少などの措置を講じる(第6項)。検査そのものより、結果を受けたあとの面接指導と就業上の措置の体制を用意しておくことが実務の肝になります。
産業医がいない小規模事業場はどうするか
50人未満の事業場には産業医の選任義務がないため、実施者となる医師・保健師をどう確保するかが最大の課題になります。現実的な選択肢は、各都道府県に設置されている地域産業保健センター(地域窓口)の利用と、外部のストレスチェック実施サービスへの委託です。いずれも施行直前は申込みが集中することが予想されるため、どちらの方法で行うかだけでも早めに決めておくと安全です。あわせて、結果を誰が受け取り、どこに保管し、社内の誰までが見られるのかというプライバシーの取り扱いルールを、実施前に文書で決めておく必要があります。
ストレスチェック義務の拡大
現在(2028年3月31日まで)
- –50人以上の事業場は実施義務
- –50人未満は努力義務(附則第4条の読み替え)
2028年4月1日から
- ✓事業場の規模を問わず実施義務
- ✓附則第4条が削除され、読み替えがなくなる
事業場の規模別に見た義務の変化
| 事業場の規模(常時使用する労働者数) | 現在(2028年3月31日まで) | 2028年4月1日以降 |
|---|---|---|
| 50人以上 | ストレスチェックの実施が義務(監督署への報告も必要) | 変更なし(引き続き義務) |
| 50人未満 | 努力義務(附則第4条の読み替えによる) | 実施が義務(附則第4条が削除される) |
規模は会社全体ではなく事業場ごとに数えます。50人以上かどうかは、労働安全衛生法第13条第1項(産業医の選任義務)の対象かどうかと連動しています。
経過措置・猶予
2025年5月14日公布。50人未満の事業場への義務化は2028年4月1日施行の予定(労働政策審議会で示された施行日)。施行までに体制づくりの準備期間があります。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
50人未満の事業場はいつから義務になりますか?
「50人」は会社全体の人数ですか?
実施しないと罰則はありますか?
なぜ50人という数字なのですか?
従業員が数人でも対象になりますか?
パート・アルバイトも人数に含めますか?
ストレスチェックの全事業場への義務化(50人未満へ拡大)はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
この改正対応に使える助成金
※ 金額・要件は目安です。最新は各助成金の公式情報でご確認ください。
この改正に出てくる用語
労務手続きをまるごとアウトソーシング
社会保険・雇用保険の手続き、給与計算、入退社対応をオンラインで代行。たび重なる法改正対応に追われる総務・人事担当の負担を丸ごと外注できます。
Remoba労務に相談する一次情報・出典
この改正情報の最終確認日:2026年8月13日