出産費用の保険給付の見直し(分娩費の新設・出産育児一時金→出産時一時金)
施行日:2026年6月5日公布(施行は公布後2年以内の政令で定める日)
国会審議 → 施行までの進み方
- 国会審議
- 成立
- 3 公布
- 4 施行 時期未定
公布済み。施行日を待っています。
30秒でわかる:この改正のポイント
| いつから | 2026年6月5日公布(施行は公布後2年以内の政令で定める日) |
|---|---|
| 誰が対象 | 出産する被保険者・被扶養者/出産育児一時金の手続きを扱う総務・人事、分娩を取り扱う医療機関・助産所 |
| 何が変わる | 分娩費(現物給付)+出産時一時金(現金給付)の組み合わせに / 国が定める基本単価を保険者から施設へ直接支払い、標準的な費用に自己負担が生じない仕組みへ ほか2項目 |
| 今やること | 施行日を定める政令の公表を確認する(ほか2件は下のチェックリスト参照) |
かんたん要約
- ●出産の給付体系が見直され、健康保険法に「分娩費」が新設されます(第98条の2)。国が定める基本単価を保険者から施設へ直接支払う現物給付化により、出産の標準的な費用に妊婦の自己負担が生じない仕組みとされています。
- ●「出産育児一時金」は「出産時一時金」に改称され、全ての妊婦に対する定額の現金給付として位置づけ直されます(第101条・金額は政令)。
- ●施行は公布後2年以内の政令で定める日です。施行日前の出産は従来どおりで、施設の選択により当分の間は現行制度が適用される施設も残ります(附則第14条・第15条)。
対象となる人・企業
出産する被保険者・被扶養者/出産育児一時金の手続きを扱う総務・人事、分娩を取り扱う医療機関・助産所
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
出産費用への給付は出産育児一時金(現金給付)が中心
改正後(これから)
分娩費(現物給付)+出産時一時金(現金給付)の組み合わせに
改正前(これまで)
妊婦が施設に費用を支払い、一時金で補填する形(差額は自己負担)
改正後(これから)
国が定める基本単価を保険者から施設へ直接支払い、標準的な費用に自己負担が生じない仕組みへ
改正前(これまで)
助産所に保険制度上の指定のしくみはなかった
改正後(これから)
厚生労働大臣が指定する「指定助産所」・登録する「登録助産師」の制度を新設(第98条の6以下)
改正前(これまで)
サービス内容・費用の情報提供に法律上の義務はなかった
改正後(これから)
施設に情報提供を義務づけ(第98条の22・第98条の23)
※ 本ページは公布された条文(e-Gov法令検索)と厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」にもとづく整理です。施行日は政令、給付水準は告示、出産時一時金の金額は政令で定まるため、確定情報は厚生労働省の発表でご確認ください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 令和8年(2026年)6月5日 「健康保険法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第31号)として公布
- 公布後2年以内の政令で定める日 分娩費・出産時一時金などの新しい給付体系が施行
新しい出産の給付のしくみ
分娩費(現物給付)— 国が定める基本単価を保険者から施設へ直接支払い
+ 出産時一時金(現金給付)— 全ての妊婦に定額を支給(金額は政令)
出産の標準的な費用について妊婦の自己負担が生じない仕組みに
アメニティ等の追加サービスは自己負担(内容・費用の情報提供を義務化)
何が変わるか
出産費用に対する給付のしくみが、現金給付中心から「現物給付+現金給付」の組み合わせに変わります。健康保険法に「分娩費」(第98条の2)が新設され、保険診療以外の分娩対応の費用について、保険者から施設へ直接支払われる形(現物給付化)になります。あわせて、これまでの「出産育児一時金」は「出産時一時金」(第101条)に改められ、全ての妊婦に対する定額の現金給付として位置づけ直されます。
なぜ見直されるのか
厚生労働省は、出産費用が年々上昇するなかで、現行の出産育児一時金は支給額を引き上げても妊婦の負担軽減につながらないという課題があり、負担軽減には給付方式の見直しが必要だと説明しています。
妊婦の負担はどうなるか
分娩1件当たりの基本単価を国が設定し、保険者から施設に直接支給することで、出産の標準的な費用(保険診療以外の分娩対応の費用)に妊婦の自己負担が生じない仕組みとされています。具体的な給付水準は告示事項で、施設の体制・役割等を評価した加算が設定される予定です。これとは別に、保険診療の一部負担金など出産時のその他の費用負担の軽減を図るため、全ての妊婦に定額の現金給付(出産時一時金)が行われます。その金額は政令で定められます。
助産所の指定・助産師の登録制度が新設されます
新しい給付の対象となる助産所は厚生労働大臣の指定を受けた「指定助産所」(第98条の6以下)、助産師は登録を受けた「登録助産師」(第98条の12)として位置づけられます。保険医療機関・保険医の指定・登録と同じ考え方の枠組みが、分娩を取り扱う施設にも設けられる形です。指定・登録の申請は、施行日前でも行うことができます(附則第4条・第5条)。
サービスと費用の見える化
妊産婦が自身のニーズに応じたサービス(お祝い膳など)を納得感を持って選択できるよう、施設が提供するサービスの内容・費用等に関する情報提供が義務づけられます(第98条の22・第98条の23)。
当分の間は現行制度も残ります
施設の選択により、当分の間、施設単位で現行制度(出産育児一時金)の適用を受けることも可能とされています。法律上は附則第15条の「特例分娩取扱施設」として整理され、その施設で出産した場合には従来どおり出産育児一時金が支給されます。
新設・改称される主な給付
| 給付 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 分娩費 | 分娩の手当に要した費用の給付(現物給付化)。被保険者本人が対象 | 第98条の2 |
| 家族分娩費 | 被扶養者が分娩の手当を受けたときの給付 | 第112条の2 |
| 出産時一時金 | 出産育児一時金を改称。全ての妊婦への定額の現金給付(金額は政令) | 第101条 |
| 資格喪失後の出産時一時金 | 1年以上被保険者だった人が資格喪失後6か月以内に出産したときの給付 | 第106条 |
| 出産交付金 | 出産育児交付金を改称し、分娩費等の費用に充当 | 第152条の2 |
経過措置・猶予
施行日は「公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日」とされており、まだ確定していません(附則第1条第6号)。施行日前にした出産には従来どおり出産育児一時金が支給されます(附則第14条)。また、施設の選択により、当分の間は施設単位で現行制度(出産育児一時金)の適用を受けることも可能とされています(附則第15条)。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
いつから出産費用の自己負担がなくなるの?
出産育児一時金はなくなるの?
個室代やお祝い膳も無料になる?
会社の手続きは変わる?
出産費用の保険給付の見直し(分娩費の新設・出産育児一時金→出産時一時金)はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
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Remoba労務に相談する一次情報・出典
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の成立について」(第212回社会保障審議会医療保険部会 資料1)
- e-Gov法令検索(健康保険法)
この改正情報の最終確認日:2026年8月1日