OTC類似薬の「一部保険外療養」の創設(薬剤費の一部が保険給付の対象外に)
施行日:2026年6月5日公布(施行は公布後1年以内の政令で定める日・令和9年3月施行を想定)
国会審議 → 施行までの進み方
- 国会審議
- 成立
- 3 公布
- 4 施行 時期未定
公布済み。施行日を待っています。
30秒でわかる:この改正のポイント
| いつから | 2026年6月5日公布(施行は公布後1年以内の政令で定める日・令和9年3月施行を想定) |
|---|---|
| 誰が対象 | 健康保険の被保険者・被扶養者(全ての人)/医療費に関する従業員からの問い合わせを受ける総務・人事 |
| 何が変わる | 4つ目の類型として「一部保険外療養」を新設(第63条第2項第6号) / 対象薬剤は薬剤費の一部(資料では4分の1)が保険給付の対象外に ほか1項目 |
| 今やること | 施行日を定める政令の公表を確認する(ほか2件は下のチェックリスト参照) |
かんたん要約
- ●市販薬(OTC医薬品)との代替性が特に高い薬剤を用いた療養について、費用の一部を保険給付の対象としない「一部保険外療養」が新設されます(健康保険法第63条第2項第6号)。
- ●厚生労働省の資料では、対象は77成分(約1,100品目)、特別の料金は対象薬剤の薬剤費の4分の1と示されています。
- ●施行は公布後1年以内の政令で定める日です。こども・がん患者・難病患者・低所得者・入院患者などへの配慮が法律に明記され(第63条第8項)、具体的な内容は今後の告示で定まります。
対象となる人・企業
健康保険の被保険者・被扶養者(全ての人)/医療費に関する従業員からの問い合わせを受ける総務・人事
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
保険外併用療養費のしくみは「評価療養」「患者申出療養」「選定療養」の3類型
改正後(これから)
4つ目の類型として「一部保険外療養」を新設(第63条第2項第6号)
改正前(これまで)
市販薬と成分が近い処方薬も、他の医療用医薬品と同じく定率の自己負担
改正後(これから)
対象薬剤は薬剤費の一部(資料では4分の1)が保険給付の対象外に
改正前(これまで)
配慮に関する法律上の規定はなし
改正後(これから)
所得・病状・治療内容などの事情を踏まえた配慮を法律に明記(第63条第8項)
※ 本ページは公布された条文(e-Gov法令検索)と厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」にもとづく整理です。施行日は政令、対象品目・特別の料金の額・配慮の対象は告示で定まるため、確定情報は厚生労働省の発表でご確認ください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 令和8年(2026年)6月5日 「健康保険法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第31号)として公布
- 公布後1年以内の政令で定める日 一部保険外療養が施行(厚生労働省資料では令和9年3月施行を想定)
何が変わるか
市販薬(OTC医薬品)と成分が近い薬を病院で処方してもらった場合に、薬剤費の一部が保険給付の対象から外れ、患者の自己負担になります。この新しい枠組みを「一部保険外療養」といい、健康保険法第63条第2項第6号として新設されました。従来は「評価療養」「患者申出療養」「選定療養」の3つだった保険外併用療養費のしくみに、4つ目の類型が加わる形です。
対象になる薬と負担額
厚生労働省の資料では、対象医薬品の範囲は77成分(約1,100品目)、特別の料金は対象薬剤の薬剤費の4分の1と示されています。主な対応症状として、鼻炎、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、風邪症状全般、腰痛・肩こり、みずむし、口内炎、皮膚のかゆみ・乾燥肌などが挙げられています。負担が増えるのは薬剤料の部分で、診察などの技術料は従来どおりです。
なぜ導入されるのか
厚生労働省は導入の理由として、①医療用医薬品の給付を受ける患者と、市販薬で対応している患者との公平性の確保、②現役世代を中心とする保険料負担の上昇の抑制の2点を挙げています。
配慮される人がいます
法律には配慮規定が置かれ、厚生労働大臣が対象を定めるにあたっては「所得の状況、病状の程度、治療の内容その他の療養を受ける者の事情を踏まえた療養となるよう配慮する」とされました(第63条第8項)。厚生労働省の資料では、こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方などへの配慮を検討するとされています。具体的な内容は今後の告示で定まります。
企業の実務への影響
直接の手続きが企業に生じる改正ではありませんが、従業員の医療費の自己負担が増える場面が出てきます。健康保険組合・協会けんぽの保険料や、従業員からの問い合わせに関わるため、施行日を定める政令と対象品目の告示が出た段階で、社内周知の要否を判断するとよいでしょう。
処方薬の窓口負担の考え方
現在
- –技術料と薬剤料の全体に定率の自己負担(原則3割など)
- –OTC類似薬でも取り扱いは他の医療用医薬品と同じ
一部保険外療養の施行後
- ✓対象薬剤は薬剤費の4分の1が「特別の料金」として保険給付の対象外に
- ✓残りの部分には従来どおり定率の自己負担
- ✓配慮が必要な人には別途の配慮を検討(告示事項)
厚生労働省資料に示された一部保険外療養の内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象医薬品の範囲 | 77成分(約1,100品目) |
| 主な対応症状 | 鼻炎、胃痛・胸やけ、便秘、解熱・痛み止め、風邪症状全般、腰痛・肩こり、みずむし、口内炎、皮膚のかゆみ・乾燥肌 等 |
| 特別の料金 | 対象薬剤の薬剤費の4分の1 |
| 配慮の対象(検討中) | こども、がん患者・難病患者など配慮が必要な慢性疾患のある方、低所得者、入院患者、医師が長期使用等を医療上必要と考える方 等 |
| 根拠条文 | 健康保険法 第63条第2項第6号・第8項、第86条第3項 |
| 施行 | 公布後1年以内の政令で定める日(令和9年3月施行を想定) |
経過措置・猶予
施行日は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日」とされており、まだ確定していません(附則第1条第4号)。厚生労働省の資料では令和9年(2027年)3月の施行が想定と示されています。対象となる医薬品の範囲・特別の料金の額・配慮の対象は告示で定められます。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
いつから自己負担が増えるの?
市販薬に切り替えないといけないの?
どの薬が対象になるかもう決まっている?
会社として何か手続きが必要?
OTC類似薬の「一部保険外療養」の創設(薬剤費の一部が保険給付の対象外に)はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
関連する改正
労務手続きをまるごとアウトソーシング
社会保険・雇用保険の手続き、給与計算、入退社対応をオンラインで代行。たび重なる法改正対応に追われる総務・人事担当の負担を丸ごと外注できます。
Remoba労務に相談する一次情報・出典
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の概要」
- 厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)の成立について」(第212回社会保障審議会医療保険部会 資料1)
- e-Gov法令検索(健康保険法)
この改正情報の最終確認日:2026年8月1日