租税・会計法 所得税法 施行済 ほぼ全事業者

通勤手当の非課税に駐車場代が追加(マイカー通勤・月5,000円まで上乗せ)

施行日:2026年4月1日施行(同日以後に受けるべき通勤手当から適用)

国会審議 → 施行までの進み方

施行済
  1. 国会審議
  2. 成立
  3. 公布
  4. 施行 2026年4月1日施行(同日以後に受けるべき通勤手当から適用)

この改正はすでに施行されています。

30秒でわかる:この改正のポイント

いつから 2026年4月1日施行(同日以後に受けるべき通勤手当から適用)
誰が対象 給与計算・年末調整を行う事業主(労務・経理)、マイカー通勤・パーク&ライドで通勤する給与所得者
何が変わる 駐車場のための施設の利用のために支出する費用が条文上明記され、非課税の対象に(第9条第1項第5号) / 距離に応じた金額に、駐車場等の料金相当額(1か月5,000円が上限)を上乗せ(施行令第20条の2第3号) ほか1項目
今やること マイカー通勤者・パーク&ライド利用者について、駐車場代の負担の有無と月額を確認する(ほか4件は下のチェックリスト参照)

かんたん要約

  • ●マイカーなどで通勤する人の駐車場代が、通勤手当の非課税の対象に加わりました(所得税法第9条第1項第5号のかっこ書き)。
  • ●上乗せできるのは1か月5,000円までで、これまでの片道距離に応じた限度額(4,200円〜66,400円)に加算します(所得税法施行令第20条の2第3号)。
  • ●対象は勤務先の周辺、または通勤で使う駅・停留所の周辺にある駐車場に限られます(所得税法施行規則第2条の2第1項)。片道2km未満の通勤は従来どおり対象外です。

対象となる人・企業

給与計算・年末調整を行う事業主(労務・経理)、マイカー通勤・パーク&ライドで通勤する給与所得者

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

非課税とされる通勤手当は「交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用」に限られ、駐車場の料金は含まれていなかった

改正後(これから)

駐車場のための施設の利用のために支出する費用が条文上明記され、非課税の対象に(第9条第1項第5号)

改正前(これまで)

交通用具通勤の非課税限度額は片道距離に応じた金額(4,200円〜66,400円)のみ

改正後(これから)

距離に応じた金額に、駐車場等の料金相当額(1か月5,000円が上限)を上乗せ(施行令第20条の2第3号)

改正前(これまで)

交通機関と交通用具を併用する場合も、駐車場代を加算する定めはなかった

改正後(これから)

運賃・定期券の価額と距離別の額に駐車場代を加算(施行令第20条の2第6号・全体で1か月15万円が限度)

※ 罰則が定められた改正ではありません。非課税限度額を超えて支給した部分は、これまでどおり給与として課税され、源泉徴収の対象になります。本ページは所得税法・所得税法施行令・所得税法施行規則の条文(e-Gov法令検索)にもとづく整理です。個別の駐車場が要件を満たすか、金額をどう計算するかの判断は、国税庁の公表資料および税理士にご確認ください。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 令和8年(2026年)3月31日 「所得税法等の一部を改正する法律」(令和8年法律第12号)と所得税法施行令の改正政令(令和8年政令第93号)が公布
  • 令和8年(2026年)4月1日 通勤手当の非課税の範囲に駐車場等の料金が加わる(施行済み)。同日以後に受けるべき通勤手当から適用

駐車場代が非課税になるかどうかの判定

マイカー等で通勤し、駐車場の料金を自分で負担している

片道2km以上ある

その駐車場が「勤務先の周辺」か「利用する駅・停留所の周辺」にある

距離別の限度額+駐車場代(月5,000円まで)が非課税

いずれかを満たさない場合、駐車場代は給与として課税

マイカー通勤の駐車場代が非課税になりました

所得税法第9条第1項第5号(非課税所得)の通勤手当の規定に、「自動車その他の交通用具の駐車のための施設の利用のために支出する費用を含む。」というかっこ書きが追加されました。改正前の条文は「交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用」だけを対象としており、駐車場の料金は非課税とされる通勤手当に含まれていませんでした。そのため、会社が駐車場代を通勤手当として支給すると、その分は給与として課税されていました。2026年4月1日以後に受けるべき通勤手当は、一定の範囲で非課税になっています。

上乗せできるのは月5,000円までです

非課税になる金額は所得税法施行令第20条の2で定められています。今回、第3号が新設され、マイカーなどの交通用具で通勤する人が駐車場等の料金を負担している場合は、これまでの片道距離に応じた限度額(片道10km未満なら月4,200円など)に、駐車場等の料金に相当する額を上乗せできるようになりました。ただし上乗せできるのは1か月あたり5,000円が上限です。距離別の限度額そのものは変わっていません。

対象になる駐車場の場所には条件があります

どの駐車場でもよいわけではありません。所得税法施行規則第2条の2第1項で、その駐車場が「勤務する場所の周辺」または「通勤のため利用する交通機関の駅・停留所その他の施設の周辺」にあることが要件とされています。つまり、勤務先の近くに借りた駐車場と、駅まで車で行って電車に乗り換えるときに使う駅周辺の駐車場(いわゆるパーク&ライド)が対象です。自宅側で自家用車を保管するための駐車場は、この要件にあてはまりません。

電車とマイカーを併用している場合も対象です

施行令第20条の2第6号も新設されました。交通機関や有料道路を利用しつつ、あわせて自動車等も使う人(駅まで車で行き、そこから電車に乗る人など)が駐車場等の料金を負担している場合は、運賃・定期券の価額と距離別の限度額に加えて、駐車場等の料金相当額(月5,000円まで)を合算した額まで非課税になります。ただし、この合算額が1か月あたり15万円を超えるときは15万円が限度です。

料金の数え方(月極・年極・コインパーキング)

駐車場等の料金相当額の計算方法は所得税法施行規則第2条の2第2項で定められています。月単位で決まっている料金はその額、複数月分をまとめて払う場合はその月数で割った額、年単位の料金は12で割った額です。利用のつど支払うコインパーキングなどは、①1か月に実際に負担した合計額、②1回あたりの料金×1か月の利用回数、③これらに準じて合理的な方法で計算した1か月分相当額、のいずれかで計算します。2か所以上の駐車場を使っている場合は、それぞれの計算額の合計です(合計したうえで5,000円が上限です)。

片道2km未満は従来どおり対象外です

交通用具で通勤する人の通勤手当は、もともと片道の通勤距離が2km未満の場合は非課税の対象になりません。今回の駐車場代の追加も同じで、施行令第20条の2第3号は片道2km未満の人を対象から除いています。近距離のマイカー通勤者に駐車場代を支給する場合、その支給額は引き続き給与として課税されます。

実務上のポイント

給与計算では、通勤手当のうち非課税として扱える金額の上限が人によって変わります。マイカー通勤者と、駅まで車で行く人について、駐車場代を実際に負担しているか、その駐車場が勤務先または駅の周辺にあるかを確認し、月額いくらかを把握しておく必要があります。すでに駐車場代を課税支給していた会社は、2026年4月1日以後に受けるべき分から非課税に切り替えられます。通勤手当規程で駐車場代の扱いを定めていない場合は、支給の可否と上限額をあわせて整理しておくとよいでしょう。なお、非課税限度額を超えて支給した部分は、これまでどおり給与として課税されます。

交通用具(マイカー等)で通勤する場合の1か月あたりの非課税限度額

片道の通勤距離距離に応じた限度額駐車場代を負担している場合
2km未満全額課税(非課税の対象外)全額課税(対象外)
2km以上10km未満4,200円4,200円+駐車場代(5,000円まで)
10km以上15km未満7,300円7,300円+駐車場代(5,000円まで)
15km以上25km未満13,500円13,500円+駐車場代(5,000円まで)
25km以上35km未満19,700円19,700円+駐車場代(5,000円まで)
35km以上45km未満25,900円25,900円+駐車場代(5,000円まで)
45km以上55km未満32,300円32,300円+駐車場代(5,000円まで)
55km以上65km未満38,700円38,700円+駐車場代(5,000円まで)
65km以上75km未満45,700円45,700円+駐車場代(5,000円まで)
75km以上85km未満52,700円52,700円+駐車場代(5,000円まで)
85km以上95km未満59,600円59,600円+駐車場代(5,000円まで)
95km以上66,400円66,400円+駐車場代(5,000円まで)

距離に応じた限度額は所得税法施行令第20条の2第2号、駐車場代の上乗せは同条第3号(2026年4月1日施行)によります。交通機関と併用する場合は同条第6号により合算し、全体で1か月15万円が限度です。

経過措置・猶予

2026年4月1日以後に受けるべき通勤手当から適用されています。2026年3月31日以前に受けるべきだった通勤手当と、その差額としてあとから追給されるもの(特定差額追給手当)は、従来どおりの取扱いです(所得税法施行令 令和8年政令第93号 附則第4条)。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 5 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

いつ支給する分から非課税になりますか?
2026年4月1日以後に受けるべき通勤手当からです(令和8年政令第93号 附則第4条)。2026年3月31日以前に受けるべきだった通勤手当は、あとから差額を追給する場合も含めて従来どおりの取扱いになります。
自宅のアパートの駐車場代も対象になりますか?
対象になりません。所得税法施行規則第2条の2第1項で、勤務する場所の周辺か、通勤に利用する駅・停留所その他の施設の周辺にある駐車場に限られています。自宅側で自家用車を保管するための駐車場はあてはまりません。
駐車場代が月10,000円かかっています。全額非課税になりますか?
なりません。上乗せできるのは1か月あたり5,000円までです。片道12kmのマイカー通勤で駐車場代が10,000円の場合、非課税になるのは7,300円+5,000円=12,300円までで、これを超えて支給した部分は給与として課税されます。
駅まで車で行って電車に乗り換えています。駅前の駐車場代はどうなりますか?
施行令第20条の2第6号の対象になります。定期券の価額と、車で走る距離に応じた限度額に、駐車場代(月5,000円まで)を加えた額まで非課税です。全体で1か月15万円が限度です。
コインパーキングを日ごとに使っている場合の金額はどう計算しますか?
所得税法施行規則第2条の2第2項第3号により、1か月に実際に負担した合計額、1回あたりの料金に1か月の利用回数を掛けた額、これらに準じて合理的な方法で計算した1か月分相当額のいずれかで計算します。
片道1.5kmのマイカー通勤者に駐車場代を出しています。非課税になりますか?
なりません。交通用具による通勤で片道2km未満の場合は、もともと通勤手当そのものが非課税の対象外です。今回の改正でもこの点は変わっていません。
通勤手当の非課税に駐車場代が追加(マイカー通勤・月5,000円まで上乗せ)はいつから施行されますか?
2026年4月1日施行(同日以後に受けるべき通勤手当から適用)です。(すでに施行されています)
対象になるのはどんな人・企業ですか?
給与計算・年末調整を行う事業主(労務・経理)、マイカー通勤・パーク&ライドで通勤する給与所得者が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「非課税とされる通勤手当は「交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用」に限られ、駐車場の料金は含まれていなかった」だったものが、「駐車場のための施設の利用のために支出する費用が条文上明記され、非課税の対象に(第9条第1項第5号)」に変わります。 これまで「交通用具通勤の非課税限度額は片道距離に応じた金額(4,200円〜66,400円)のみ」だったものが、「距離に応じた金額に、駐車場等の料金相当額(1か月5,000円が上限)を上乗せ(施行令第20条の2第3号)」に変わります。 これまで「交通機関と交通用具を併用する場合も、駐車場代を加算する定めはなかった」だったものが、「運賃・定期券の価額と距離別の額に駐車場代を加算(施行令第20条の2第6号・全体で1か月15万円が限度)」に変わります。
注意しておくことはありますか?
罰則が定められた改正ではありません。非課税限度額を超えて支給した部分は、これまでどおり給与として課税され、源泉徴収の対象になります。本ページは所得税法・所得税法施行令・所得税法施行規則の条文(e-Gov法令検索)にもとづく整理です。個別の駐車場が要件を満たすか、金額をどう計算するかの判断は、国税庁の公表資料および税理士にご確認ください。
法令の原文はどこで確認できますか?
所得税法の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

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一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年8月13日