有価証券報告書のサステナビリティ情報開示の義務化
施行日:2027年4月1日施行(開示の適用は2027年3月期から段階的)
国会審議 → 施行までの進み方
施行まであと245日- 国会審議
- 成立
- 3 公布
- 4 施行 2027年4月1日施行(開示の適用は2027年3月期から段階的)
公布済み。施行まであと245日です。
30秒でわかる:この改正のポイント
| いつから | 2027年4月1日施行(開示の適用は2027年3月期から段階的) |
|---|---|
| 誰が対象 | プライム市場の上場企業(時価総額の大きい企業から順次) |
| 何が変わる | SSBJ基準にもとづく開示を有価証券報告書で段階的に義務化 / 政令で定める会社は第三者による監査証明(保証)を受ける(金商法第26条の5・2027年4月1日施行) |
| 今やること | 自社の適用開始時期を確認する(ほか3件は下のチェックリスト参照) |
かんたん要約
- ●有価証券報告書において、SSBJ基準にもとづくサステナビリティ情報の開示が段階的に義務化されます。
- ●2027年3月期から時価総額3兆円以上のプライム上場企業を皮切りに、対象が順次拡大される方針です。
- ●根拠となる改正金商法(令和8年法律第64号)が2026年7月23日に公布され、サステナ情報の作成基準と第三者による保証(監査証明)が法律に位置づけられました。施行は2027年4月1日です。
対象となる人・企業
プライム市場の上場企業(時価総額の大きい企業から順次)
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
サステナビリティ情報の開示ルールは限定的・任意の部分が多かった
改正後(これから)
SSBJ基準にもとづく開示を有価証券報告書で段階的に義務化
改正前(これまで)
サステナ情報に第三者のチェックを入れる法律上の仕組みがなかった
改正後(これから)
政令で定める会社は第三者による監査証明(保証)を受ける(金商法第26条の5・2027年4月1日施行)
※ 適用対象・時期は企業規模により段階的です。保証の対象となる「特定提出者」の範囲や具体的な基準は今後の政令・内閣府令で定められます。最新の制度設計は金融庁の発表をご確認ください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 令和8年(2026年)7月23日 根拠法(令和8年法律第64号)が公布。金商法にサステナ情報の作成基準・保証の規定が新設
- 令和9年(2027年)4月1日 改正金商法のうちサステナ情報の開示・保証に関する規定が施行
- 2027年3月期から 時価総額3兆円以上のプライム上場企業を皮切りに段階的に義務化
サステナ開示の段階適用
2027年3月期 時価総額3兆円以上
順次 対象を拡大
有価証券報告書でSSBJ基準開示
制度の全体像
有価証券報告書において、SSBJ基準にもとづくサステナビリティ情報の開示が段階的に義務化されます。気候変動などの情報を、財務情報と同じ報告書で開示することが求められます。
根拠法が2026年7月に公布されました
「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第64号)が2026年7月15日に成立し、7月23日に公布されました。この改正で金融商品取引法に第26条の4(特定非財務情報の作成基準)と第26条の5(特定非財務情報監査証明業者による監査証明)などが新設され、開示の枠組みが法律に位置づけられました。施行日は2027年4月1日です。
「保証」が法律で義務づけられます
新設された金商法第26条の5により、政令で定める会社(条文上は「特定提出者」)は、有価証券報告書などに記載するサステナビリティ情報について、利害関係のない第三者による監査証明(保証)を受けることが必要になります。財務諸表の会計監査と同じように、サステナ情報にも外部チェックが入るという位置づけです。保証を行う業者は内閣総理大臣の登録を受ける制度(第26条の6以下)が新設されました。
誰に・どう影響するか
有価証券報告書を提出するプライム市場の上場企業が対象で、時価総額の大きい企業から始まります。非上場企業は直接の対象ではありません。保証が必要となる「特定提出者」の具体的な範囲は今後の政令で定められるため、現時点では確定していません。
実務上のポイント
自社の適用開始時期を確認し、SSBJ基準にもとづく開示体制の準備、気候変動などの情報収集の仕組みを整えましょう。今回の改正で保証が法定されたため、開示するデータの根拠資料を第三者に説明できる形で残しておくことの重要性が高まります。対象範囲・具体的な基準は政令・内閣府令で定められるため、金融庁の発表をあわせてご確認ください。
適用開始は時価総額の規模ごとに3段階
金融庁の金融審議会ワーキング・グループの議論では、SSBJ基準にもとづく開示を、時価総額の規模に応じて段階的に求める方針が示されています。具体的には、時価総額3兆円以上の企業は2027年3月期から、1兆円以上3兆円未満の企業は2028年3月期から、5千億円以上1兆円未満の企業は2029年3月期から適用を開始する案が示されています。自社の時価総額がどの区分にあたるかで、準備に使える期間が大きく変わるため、早めに該当年度を確認しておくことが重要です。
第三者保証は当初2年間は範囲を限定
開示されるサステナビリティ情報には、第三者による保証が求められます。保証の枠組み自体は2026年7月23日公布の改正金商法(第26条の5)で法律に位置づけられ、2027年4月1日に施行されます。保証の対象範囲について、ワーキング・グループの議論では、導入当初の2年間は範囲を限定する方向とされ、温室効果ガス排出量のScope1・2とガバナンスに関する開示が当初の対象として挙げられています。その後の範囲拡大については国際的な動向を踏まえて検討するとされており、対象企業は保証対応の負担が段階的に増える前提で体制を整える必要があります。なお、保証を受けるべき会社(条文上の「特定提出者」)の具体的な範囲は今後の政令で定められます。
有価証券報告書では2023年3月期から開示欄が先行
SSBJ基準の義務化に先立ち、有価証券報告書ではすでにサステナビリティ関連の開示が一部求められています。金融庁によると、2023年1月の内閣府令等の改正で「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設され、2023年3月期決算の企業から適用されています。あわせて「従業員の状況」欄では、女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金格差といった多様性の指標の開示も求められています。2027年以降のSSBJ基準義務化は、これらの既存の開示を土台に強化されるものと位置づけられます。
SSBJ基準の段階的な適用スケジュール
最初の対象。プライム市場の大規模企業から開始
対象が拡大
さらに拡大の案
出典: 金融庁 金融審議会ワーキング・グループ(第9回)議事録(2025年10月30日)
うちの会社は対象になる?
自社はSSBJ基準の開示義務の対象か?
有価証券報告書を提出するプライム市場の上場企業で、時価総額3兆円以上の場合
2027年3月期から対象。最も早い適用開始区分にあたる
時価総額1兆円以上3兆円未満の上場企業の場合
2028年3月期から対象となる案
時価総額5千億円以上1兆円未満の上場企業の場合
2029年3月期から対象となる案
非上場企業・有価証券報告書を提出しない企業の場合
直接の対象ではない
適用時期・区分はワーキング・グループでの検討段階の案を含みます。最新の制度設計は金融庁の発表をご確認ください。
今回の改正で金商法に新設された主な規定
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第26条の4 | サステナ情報(特定非財務情報)は、内閣府令で定める作成基準に従って作成する |
| 第26条の5 | 政令で定める会社(特定提出者)は、第三者による監査証明(保証)を受ける |
| 第26条の6以下 | 保証を行う「特定非財務情報監査証明業者」の登録制度 |
経過措置・猶予
適用は時価総額3兆円以上のプライム上場企業から段階的に開始(2027年3月期〜)、順次対象が拡大される方針です。根拠となる改正金商法は2026年7月23日に公布され、2027年4月1日に施行されます。保証(監査証明)の対象となる「特定提出者」の具体的な範囲は、今後の政令で定められます。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
非上場企業も対象?
サステナ情報にも監査が入るの?
有価証券報告書のサステナビリティ情報開示の義務化はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
関連する改正
一次情報・出典
この改正情報の最終確認日:2026年7月26日