労働法 労働基準法 施行済 罰則あり ほぼ全事業者

労働基準法 2024〜2025年改正の全ポイント(中小企業が今すぐ確認すべき変更点)

施行日:2024年4月1日 施行済(一部は順次)

国会審議 → 施行までの進み方

施行済
  1. 国会審議
  2. 成立
  3. 公布
  4. 施行 2024年4月1日 施行済(一部は順次)

この改正はすでに施行されています。

30秒でわかる:この改正のポイント

いつから 2024年4月1日 施行済(一部は順次)
誰が対象 労働者を雇用するすべての事業主(中小企業の総務・人事担当者、経営者)
何が変わる 2024年4月から、雇い入れ時・契約更新時に就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要 / 更新上限の有無・内容、無期転換の申込機会・転換後の労働条件の明示が必要に ほか1項目
罰則 労働条件の明示義務違反は30万円以下の罰金(労働基準法第120条)。
今やること 労働条件通知書・雇用契約書のひな型に「就業場所・業務の変更の範囲」欄を追加する(ほか3件は下のチェックリスト参照)

かんたん要約

  • 2024年4月1日から、すべての労働者に「就業場所・業務の変更の範囲」など労働条件の明示事項が追加されました(労働基準法施行規則の改正)。
  • 建設業・自動車運転業務・医師の時間外労働上限規制の適用猶予が2024年4月に終了し、いわゆる「2024年問題」が本格化しました。
  • 専門業務型裁量労働制は、2024年4月から対象労働者本人の同意の取得が新たに必須になりました。

対象となる人・企業

労働者を雇用するすべての事業主(中小企業の総務・人事担当者、経営者)

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

労働契約の締結・更新時の明示事項に、就業場所・業務の「変更の範囲」は含まれていなかった

改正後(これから)

2024年4月から、雇い入れ時・契約更新時に就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要

改正前(これまで)

有期契約での更新上限の明示や、無期転換申込機会の明示は義務ではなかった

改正後(これから)

更新上限の有無・内容、無期転換の申込機会・転換後の労働条件の明示が必要に

改正前(これまで)

建設・運送・医師は時間外労働の上限規制が当面猶予されていた

改正後(これから)

2024年4月から上限規制を適用(自動車運転業務・医師は年960時間などの特例上限)

※ 改正は複数の施行規則・告示にまたがります。自社の業種・契約形態でどこまで対応が必要かは、所轄の労働基準監督署・社会保険労務士にご確認ください。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 2024年4月1日 労働条件明示ルールの改正(就業場所・業務の変更の範囲、更新上限、無期転換申込機会などの明示を追加)
  • 2024年4月1日 建設業・自動車運転業務・医師の時間外労働上限規制の適用猶予が終了(2024年問題)
  • 2024年4月1日 専門業務型裁量労働制で本人同意の取得を必須化、対象業務にM&Aアドバイザリー業務を追加

① 労働条件明示ルールの改正(全企業が対象)

2024年4月1日から、労働契約の締結時・有期契約の更新時に明示すべき事項が追加されました。具体的には、(1) すべての労働者に対して「就業場所・従事すべき業務の変更の範囲」、(2) 有期契約労働者に対して「更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容」、(3) 無期転換ルールにもとづく「無期転換を申し込むことができる旨」と「無期転換後の労働条件」を明示する必要があります。労働条件通知書・雇用契約書のひな型の見直しが、ほぼすべての企業で必要になりました。

② 時間外労働の上限規制「2024年問題」

時間外労働の罰則付き上限規制は2019年4月(大企業)・2020年4月(中小企業)から始まっていましたが、建設業・自動車運転業務(トラック・バス・タクシー)・医師などには5年間の適用猶予がありました。この猶予が2024年4月1日に終了し、建設業は原則として一般則が適用、自動車運転業務と医師には年960時間などの特例上限が適用されています。ドライバー不足や物流への影響が「2024年問題」と呼ばれています。

③ 裁量労働制の見直し

2024年4月1日から、専門業務型裁量労働制を導入・継続するには、対象労働者本人の同意を得ること、同意をしなかった労働者に不利益取扱いをしないこと、同意の撤回の手続きを定めることが新たに必要になりました。あわせて対象業務に「銀行・証券会社におけるM&Aに関する考案・助言の業務(M&Aアドバイザリー業務)」が追加されています。労使協定・労使委員会決議の見直しと労働基準監督署への届出が必要です。

中小企業が今すぐ行う実務チェック

①労働条件通知書・雇用契約書のひな型を改訂し、変更の範囲・更新上限・無期転換の各欄を追加する。②自社が建設・運送・医師に該当する場合は、36協定の内容と実際の時間外労働が新しい上限に収まっているか勤怠記録で確認する。③裁量労働制を使っている場合は、本人同意の取得・記録、労使協定の再締結、監督署への届出を行う。いずれもすでに施行済みのルールで、是正指導の対象になります。

2024年4月 追加された労働条件の明示事項

対象追加された明示事項タイミング
すべての労働者就業場所・業務の「変更の範囲」契約締結時・更新時
有期契約労働者更新上限(通算期間・更新回数)の有無と内容契約締結時・更新時
無期転換の対象者無期転換の申込機会・転換後の労働条件無期転換申込権が発生する更新時

違反した場合のリスク

労働条件の明示義務違反は30万円以下の罰金(労働基準法第120条)。時間外労働の上限規制違反は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(同第119条)の対象になり得ます。

経過措置・猶予

労働条件明示ルールは2024年4月1日以後に締結・更新する労働契約から適用。建設・運送・医師の上限規制は2024年4月1日から適用(一部に特例・経過措置あり)。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 4 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

労働条件明示の改正は、既存の従業員にも通知し直す必要がある?
2024年4月1日以後に労働契約を新たに締結・更新するタイミングで、新しい明示事項を記載すれば足ります。改正日に遡って在籍者全員へ即時に再通知する義務まではありませんが、契約更新時には必ず対応が必要です。
うちは建設・運送業ではないが「2024年問題」は関係ある?
時間外労働の上限規制そのものは、すでに2019年4月(大企業)・2020年4月(中小企業)から全業種に適用されています。2024年4月の変更は、それまで猶予されていた建設・運送・医師に上限規制が及ぶようになったものです。それ以外の業種は引き続き原則 月45時間・年360時間の上限が適用されます。
労働基準法 2024〜2025年改正の全ポイント(中小企業が今すぐ確認すべき変更点)はいつから施行されますか?
2024年4月1日 施行済(一部は順次)です。(すでに施行されています)
対象になるのはどんな人・企業ですか?
労働者を雇用するすべての事業主(中小企業の総務・人事担当者、経営者)が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「労働契約の締結・更新時の明示事項に、就業場所・業務の「変更の範囲」は含まれていなかった」だったものが、「2024年4月から、雇い入れ時・契約更新時に就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要」に変わります。 これまで「有期契約での更新上限の明示や、無期転換申込機会の明示は義務ではなかった」だったものが、「更新上限の有無・内容、無期転換の申込機会・転換後の労働条件の明示が必要に」に変わります。 これまで「建設・運送・医師は時間外労働の上限規制が当面猶予されていた」だったものが、「2024年4月から上限規制を適用(自動車運転業務・医師は年960時間などの特例上限)」に変わります。
注意しておくことはありますか?
改正は複数の施行規則・告示にまたがります。自社の業種・契約形態でどこまで対応が必要かは、所轄の労働基準監督署・社会保険労務士にご確認ください。
法令の原文はどこで確認できますか?
労働基準法の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

関連する改正

PR Remoba労務

労務手続きをまるごとアウトソーシング

社会保険・雇用保険の手続き、給与計算、入退社対応をオンラインで代行。たび重なる法改正対応に追われる総務・人事担当の負担を丸ごと外注できます。

Remoba労務に相談する
PR LEC東京リーガルマインド

法改正を学ぶなら社労士という選択

労働法・社会保険の法改正を扱うプロフェッショナル、社会保険労務士。資格指導歴40年以上のLECの通信講座で、実務に直結する国家資格を目指せます。

LECの社労士講座を見る

一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年6月16日