雇用保険の育児支援給付の創設(出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金)
施行日:2025年4月1日施行
かんたん要約
- ●共働き・共育てを後押しするため、雇用保険に2つの新しい給付が創設されました。
- ●「出生後休業支援給付金」は、子の出生直後に両親がともに育児休業を取得した場合に支給されます。
- ●「育児時短就業給付金」は、2歳未満の子を養育するため時短勤務をする人に支給されます。
対象となる人・企業
育児休業・育児時短勤務をする従業員と、その給付手続きを行う事業主
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
育児休業給付(休業前賃金の67%等)などが中心だった
改正後(これから)
出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金が新たに加わった
※ 支給要件・給付率の詳細は厚生労働省・ハローワークの案内でご確認ください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 令和7年(2025年)4月1日 出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金を創設
出生後休業支援給付のしくみ
子の出生後 両親で育休
出生後休業支援給付80%
既存給付とあわせ手取り実質10割
制度の全体像
「共働き・共育て」を後押しするため、2025年4月から雇用保険に2つの育児支援給付が創設されました。給与計算・申請実務に直結する新制度です。
出生後休業支援給付金
子の出生直後の一定期間に両親がともに育児休業を取得した場合、休業開始時賃金日額の80%が支給されます。既存の育児休業給付(67%等)とあわせて、休業中の手取りが実質10割相当になるよう設計されています。
育児時短就業給付金
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して働く場合、時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額が支給されます(時短前の賃金水準を超えないよう調整されます)。
誰に・どう影響するか
育児休業・育児時短勤務をする従業員と、給付手続きを行う事業主が関わります。
実務上のポイント
対象となる従業員の把握、申請手続き・必要書類の確認、給与計算・社会保険手続きとの連携、従業員への周知を進めましょう。
出生後休業支援給付金の支給額の計算方法
出生後休業支援給付金の支給額は「休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(28日が上限)× 13%」で算定されます。この13%分が、既存の出生時育児休業給付金または育児休業給付金(給付率67%)に上乗せされることで、給付率が合計80%となります。育児休業中は申出により健康保険料・厚生年金保険料が免除され、勤与が支給されなければ雇用保険料の負担もなく、育児休業等給付は非課税であるため、結果として休業中の手取りが実質10割相当になる設計です。なお、休業開始時賃金日額には上限額があり、2025年8月1日時点で16,110円(毎年8月1日改定)とされている点に留意が必要です。
配偶者の育児休業を要件としないケース
出生後休業支援給付金は原則として両親がともに14日以上の育児休業を取得することが要件ですが、子の出生日の翌日において次のいずれかに該当する場合は、配偶者の育児休業の取得は要件となりません。具体的には、(1)配偶者がいない、(2)配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない、(3)被保険者が配偶者から暴力を受け別居中、(4)配偶者が無業者、(5)配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない、(6)配偶者が産後休業中、(7)その他の理由で配偶者が育児休業をすることができない、の7つです。なお、被保険者が父親で子が養子でない場合は、配偶者(母親)の育児休業取得の有無は要件になりません。事業主としては、申請書でこれらの「配偶者の状態」欄の記入が必要になる点を把握しておくとよいでしょう。
育児時短就業給付金の支給率と支給されないケース
育児時短就業給付金は、支給対象月に支払われた賃金額が育児時短就業開始時賃金月額の90%以下の場合、「支給対象月に支払われた賃金額 × 10%」が支給されます。賃金額が90%超〜100%未満の場合は、賃金と支給額の合計が時短前の賃金月額を超えないよう支給率が調整されます。一方で、(1)支払われた賃金額が時短前賃金月額の100%以上の場合(賃金が減っていないとみなされる)、(2)支払われた賃金額が支給限度額471,393円以上の場合、(3)算定された支給額が最低限度額2,411円以下の場合は、いずれも支給されません。なお471,393円・2,411円という金額は2026年7月31日までの額で、毎年8月1日に改定されます。
育児休業給付の給付率:出生後休業支援給付金で上乗せ
改正前(出生後休業支援給付金なし)
- –出生時育児休業給付金・育児休業給付金の給付率は原則67%
- –育休中の手取りは賃金の8割程度にとどまる
改正後(出生後休業支援給付金あり)
- ✓最大28日間、休業開始時賃金日額×13%を上乗せ
- ✓既存給付67%と合算して給付率80%
- ✓社会保険料免除・非課税により手取り10割相当
うちの社員は出生後休業支援給付金の対象?
両親そろっての育休取得が必要ですか?
本人が14日以上の育休を取得し、配偶者も対象期間内に14日以上の育休を取得した場合
対象(出生時育休給付・育休給付と併せて支給)
本人が父親で、子が養子でない場合
配偶者(母親)の育休取得の有無は要件にならない
配偶者がいない・無業者・自営業/フリーランス・産後休業中など7つのケースに該当する場合
配偶者の育休取得は不要(本人の14日以上の育休で対象)
就労・賃金支払状況により出生時育休給付金または育休給付金が不支給となった場合
出生後休業支援給付金も支給されない
いずれの場合も、本人が対象期間内に通算14日以上の育児休業を取得していることが前提です。
経過措置・猶予
2025年4月1日施行。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
手取りはどれくらいになる?
雇用保険の育児支援給付の創設(出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金)はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
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この改正情報の最終確認日:2026年5月31日