情報・コンプラ 公益通報者保護法 公布 施行まであと171日 罰則あり

公益通報者保護法の改正(不利益取扱いへの刑事罰)

施行日:2026年12月1日施行

かんたん要約

  • 公益通報をした人への不利益な取り扱いに対し、刑事罰が導入されます。
  • 公益通報を理由とする解雇・懲戒には、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)が科されます。
  • 通報後1年以内の解雇・懲戒は、公益通報を理由とするものと推定されます。

対象となる人・企業

従業員301人以上の企業を中心に、内部通報体制を持つ事業者

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

通報者への不利益取扱いに直接の刑事罰はなかった

改正後(これから)

通報を理由とする解雇・懲戒に刑事罰を新設/立証責任の転換

※ 従業員数や対象範囲など適用の詳細は消費者庁の案内をご確認ください。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 令和8年(2026年)12月1日 改正公益通報者保護法(令和7年法律第62号)が施行

通報後の不利益取扱い

公益通報

1年以内の解雇・懲戒

通報が理由と推定(企業が反証)

制度の全体像

公益通報者保護法が改正され(令和7年法律第62号、2025年6月成立)、2026年12月1日に施行されます。組織の不正を通報した人を不利益な取り扱いから守る仕組みが強化され、通報を理由とする不利益取扱いに対して、はじめて刑事罰が導入されます。

何が罰則の対象になるか

①公益通報を理由とする解雇・懲戒には、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)。②通報対応業務に従事する者が正当な理由なく通報者を特定させる情報を漏らした場合は、30万円以下の罰金。③行政機関の報告徴収に対して報告をしない・虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料の対象です。

立証責任の転換(推定規定)

公益通報をしてから1年以内に行われた解雇・懲戒は、公益通報を理由とするものと推定されます。これにより、企業側が「通報とは無関係である」ことを説明・立証する必要が生じます。

誰に・どう影響するか

従業員301人以上の企業を中心に、内部通報に適切に対応するための体制整備(窓口の設定、調査、是正措置、通報者情報の漏えい防止など)が義務づけられています。管理職への周知、通報者の秘匿、不利益取扱いの禁止の徹底が求められます。

実務上のポイント

内部通報規程の見直し、通報窓口と通報対応業務従事者の指定、通報者情報の管理ルールの整備を進めましょう。特に、通報後1年以内の人事措置(解雇・懲戒・配置転換など)は推定規定の対象になり得るため、客観的な理由と記録を残して慎重に判断することが重要です。

保護される通報者の範囲が拡大(フリーランス等)

今回の改正では、保護される公益通報者の範囲が広がります。従来の労働者などに加え、業務委託を受けて働く「特定受託業務従事者」(いわゆるフリーランス)および過去に特定受託業務従事者であった人が、新たに保護の対象に追加されます。これに伴い、公益通報を理由とした契約の解除などの不利益な取り扱いも禁止されます。社内の従業員だけでなく、業務を委託している外部の個人事業主に対する対応も、改正後は公益通報者保護の観点から見直しが必要になります。

施行日と改正法の位置づけ

この改正は「公益通報者保護法の一部を改正する法律」として令和7年法律第62号として公布され、令和8年(2026年)12月1日から施行されます。刑事罰の新設など事業者への影響が大きい内容を含むため、施行日までに自社の内部通報体制や就業規則上の不利益取扱いに関する運用を見直しておくことが重要です。

公益通報を理由とする不利益取扱いへの対応:改正前後

改正前

  • 通報者への不利益取扱いに直接の刑事罰はなかった
  • 保護対象は主に労働者など

改正後(2026年12月1日施行)

  • 公益通報を理由とする解雇・懲戒に刑事罰を新設
  • 通報日から1年以内の解雇・懲戒は公益通報を理由とすると推定
  • 保護対象に特定受託業務従事者(フリーランス)等を追加

公益通報を理由とする解雇・懲戒の刑事罰

通報者を解雇・懲戒したら、どんな罰則がある?

公益通報を理由として解雇・懲戒を行った個人

6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

その行為について法人として

3,000万円以下の罰金刑(両罰規定)

通報日から1年以内に行われた解雇・懲戒

公益通報を理由としたものと推定される(立証責任の転換)

出典: 参議院・公益通報者保護法の一部を改正する法律案 要旨

違反した場合のリスク

公益通報を理由とする解雇・懲戒に、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)。通報後1年以内の解雇・懲戒は公益通報を理由とするものと推定されます。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 3 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

従業員300人以下でも対象?
内部通報体制の整備義務は従業員301人以上の事業者が中心ですが、不利益取扱いの禁止や刑事罰は規模にかかわらず関わります。体制整備は300人以下でも努力義務です。
公益通報者保護法の改正(不利益取扱いへの刑事罰)はいつから施行されますか?
2026年12月1日施行です。(本日からおよそ171日後)
対象になるのはどんな人・企業ですか?
従業員301人以上の企業を中心に、内部通報体制を持つ事業者が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「通報者への不利益取扱いに直接の刑事罰はなかった」だったものが、「通報を理由とする解雇・懲戒に刑事罰を新設/立証責任の転換」に変わります。
注意しておくことはありますか?
従業員数や対象範囲など適用の詳細は消費者庁の案内をご確認ください。
法令の原文はどこで確認できますか?
公益通報者保護法の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

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一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年5月31日