情報・コンプラ 著作権法 公布 施行まであと1002日

著作権法の改正(レコード演奏権・伝達権の創設=店舗BGMの二次使用料)

施行日:公布から3年以内(2029年6月23日まで)に政令で定める日に施行

国会審議 → 施行までの進み方

施行まであと1002日
  1. 国会審議
  2. 成立
  3. 3 公布
  4. 4 施行 公布から3年以内(2029年6月23日まで)に政令で定める日に施行

公布済み。施行まであと1002日です。

30秒でわかる:この改正のポイント

いつから 公布から3年以内(2029年6月23日まで)に政令で定める日に施行
誰が対象 店舗でBGMを流す事業者(飲食店・小売店・美容室・ホテル・フィットネスクラブなど)/BGM配信サービス事業者/実演家・レコード製作者
何が変わる 商業用レコードの営利目的の再生・伝達について、実演家・レコード製作者が「二次使用料」を受け取れる権利(レコード演奏・伝達権)を創設
今やること 自店のBGMの出どころを棚卸しする(CD・スマホの配信サービス・店舗BGMサービス・有線放送など)(ほか4件は下のチェックリスト参照)

かんたん要約

  • ●著作権法の一部を改正する法律(令和8年法律第48号)が2026年6月24日に公布されました。
  • ●柱は「レコード演奏・伝達権」の創設です。商業用レコード(CD・配信音源など)を店舗などで再生・伝達して営利利用する場合に、実演家とレコード製作者が二次使用料を受け取れるようになります。
  • ●これまで店舗BGMで必要だったのは主に作詞者・作曲者側(JASRAC等)への手続でした。改正後は、歌手・演奏家(実演家)とレコード会社(レコード製作者)側への二次使用料が加わります。
  • ●施行は公布から3年以内(2029年6月23日まで)に政令で定める日です。非営利・無料での再生は対象外です。

対象となる人・企業

店舗でBGMを流す事業者(飲食店・小売店・美容室・ホテル・フィットネスクラブなど)/BGM配信サービス事業者/実演家・レコード製作者

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

店舗BGMの権利処理は、主に作詞者・作曲者側(JASRAC・NexTone等)への使用料が中心。レコードの再生自体について実演家・レコード製作者に支払う仕組みはなかった

改正後(これから)

商業用レコードの営利目的の再生・伝達について、実演家・レコード製作者が「二次使用料」を受け取れる権利(レコード演奏・伝達権)を創設

※ 二次使用料は文化庁長官が指定する団体を通じてまとめて行使される仕組みで、店舗が個々のレコード会社・歌手と交渉するわけではありません。使用料の規程は指定団体が作成・公示し、利用者側代表との協議や文化庁長官の裁定の制度も用意されています。金額水準や徴収方法は施行までに指定団体の規程で定まります。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 2026年6月24日 著作権法の一部を改正する法律(令和8年法律第48号)が公布
  • 施行まで 文化庁長官による団体指定・二次使用料規程の作成・公示(利用者代表との協議制度あり)
  • 2029年6月23日まで レコード演奏・伝達権が施行(公布から3年を超えない範囲内で政令で定める日)

何が創設されるのか:レコード演奏・伝達権

今回の改正の柱は、実演家(歌手・演奏家)とレコード製作者(原盤を制作したレコード会社等)に、商業用レコードが営利目的で再生・伝達された場合の「二次使用料を受ける権利」を認めることです。これまで日本では、店舗でCDや配信音源をBGMとして流す行為について、作詞者・作曲者(著作者)側には使用料が発生する一方、実演家・レコード製作者側には権利がありませんでした。国際的にはレコードの公の演奏への対価を認める国が多く、日本の実演家・レコード製作者が海外で対価を受け取れない一因にもなっていたことから、権利の空白を埋める改正です。

「JASRACに払っているから大丈夫」ではなくなる

音楽を店舗で流すときの権利は二層あります。①楽曲そのもの(作詞・作曲)の著作権と、②その録音物(原盤)に関わる実演家・レコード製作者の著作隣接権です。従来の店舗BGMの手続はもっぱら①で、JASRACやNexToneに使用料を払えば足りました。改正後は、CD・配信音源など録音物を使う限り②の二次使用料が加わります。ただし店舗が歌手やレコード会社と個別に交渉するのではなく、文化庁長官が指定する団体が一括して権利行使し、使用料規程を作成・公示する集中管理の仕組みです。規程には利用者側代表との協議制度と、協議が整わない場合の文化庁長官による裁定制度が用意されています。

影響を受けやすいのは「自前音源」派の店舗

影響の大きさはBGMの流し方で変わります。最も影響を受けるのは、CDや購入音源、個人向け配信サービスを自分の機器で再生している店舗です。この形は施行後、二次使用料の支払い対象になる見込みであるうえ、そもそも個人向けサブスクの多くは規約で商用利用を禁じています。一方、店舗BGM専用サービスや有線放送は、権利処理をサービス側がまとめて行うのが一般的で、二次使用料も同様にサービス側で処理される可能性があります(各社の対応は施行までに示される見込みです)。改正を機に、自店のBGMの出どころを棚卸しし、契約形態を整理しておくのが実務的な準備です。

施行までの流れと今やるべきこと

施行は公布(2026年6月24日)から3年を超えない範囲内で政令で定める日で、遅くとも2029年6月23日までに始まります。施行までの間に、文化庁長官による団体の指定、二次使用料規程の作成・公示、利用者代表との協議が進む見込みです。金額水準はこの規程で決まるため、現時点で「いくら払うことになるか」は確定していません。事業者側で急いで支払う必要はありませんが、①BGMの出どころの棚卸し、②個人向けサブスクの商用利用の是正、③BGMサービス提供元への確認、の3点は今から進めておいて損がありません。

店舗BGMの権利処理:改正前後の対照

現在

  • –作詞者・作曲者側:JASRAC・NexTone等への使用料(従来どおり)
  • –実演家・レコード会社側:店舗での再生について支払う仕組みなし

施行後(2029年6月23日までに)

  • ✓作詞者・作曲者側:従来どおり
  • ✓実演家・レコード会社側:二次使用料(レコード演奏・伝達権)が加わる
  • ✓支払いは文化庁長官の指定団体を通じてまとめて処理
  • ✓非営利・無料の再生は対象外

うちの店は影響を受ける?

BGMをどうやって流していますか?

CD・ダウンロード購入した音源・配信サービスの音源を自分で再生している

影響あり。施行後は実演家・レコード製作者側への二次使用料の対象になる見込み。個人向けサブスクの商用利用は規約違反の可能性もあるため契約形態から見直しを

店舗BGM専用サービス・有線放送を契約している

権利処理はサービス側がまとめて行うのが一般的。二次使用料の扱いを提供元に確認

BGMは流していない/非営利・無料の利用のみ

今回の二次使用料の対象外

金額水準・徴収方法は施行までに指定団体の二次使用料規程で定まります。

経過措置・猶予

公布は2026年6月24日。レコード演奏・伝達権の施行は公布から3年を超えない範囲内で政令で定める日(2029年6月23日まで)です。施行までに、文化庁長官の指定団体と二次使用料規程が整備される見込みです。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 5 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

店のBGMにはもうJASRACに払っているのに、さらに払うのですか?
JASRAC等への使用料は作詞者・作曲者(著作者)側への支払いです。今回創設されるのは、それとは別の、歌手・演奏家(実演家)とレコード会社(レコード製作者)側への二次使用料です。CDや配信音源そのものを流す場合に対象になります。徴収は文化庁長官の指定団体を通じて行われるため、支払先の窓口や金額は施行までに定まる規程で確認することになります。
いつから支払いが必要になりますか?
施行日は公布(2026年6月24日)から3年を超えない範囲内で政令で定める日で、遅くとも2029年6月23日までに施行されます。具体的な日付はまだ確定していません。施行前の利用について支払いは発生しません。
店舗BGMサービスや有線放送を使っている場合は?
店舗BGM専用サービスや有線放送は、著作権等の権利処理をサービス側がまとめて行う形が一般的です。二次使用料の扱いがどうなるかはサービスごとの対応によるため、施行が近づいたら提供元に確認してください。
生演奏やラジオをそのまま流す場合も対象ですか?
今回の権利は「商業用レコード」(CD・配信音源など録音物)の再生・伝達が対象です。生演奏はレコードを使わないため対象外です(作詞作曲側の権利処理は従来どおり必要です)。放送をそのまま流す場合の扱いなど細かい線引きは、施行までに示される運用を確認してください。
非営利のイベントで音楽を流す場合は?
非営利かつ無料での再生は二次使用料の対象外とされています。営利事業の店舗BGMとの違いはここにあります。
著作権法の改正(レコード演奏権・伝達権の創設=店舗BGMの二次使用料)はいつから施行されますか?
公布から3年以内(2029年6月23日まで)に政令で定める日に施行です。(本日からおよそ1002日後)
対象になるのはどんな人・企業ですか?
店舗でBGMを流す事業者(飲食店・小売店・美容室・ホテル・フィットネスクラブなど)/BGM配信サービス事業者/実演家・レコード製作者が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「店舗BGMの権利処理は、主に作詞者・作曲者側(JASRAC・NexTone等)への使用料が中心。レコードの再生自体について実演家・レコード製作者に支払う仕組みはなかった」だったものが、「商業用レコードの営利目的の再生・伝達について、実演家・レコード製作者が「二次使用料」を受け取れる権利(レコード演奏・伝達権)を創設」に変わります。
注意しておくことはありますか?
二次使用料は文化庁長官が指定する団体を通じてまとめて行使される仕組みで、店舗が個々のレコード会社・歌手と交渉するわけではありません。使用料の規程は指定団体が作成・公示し、利用者側代表との協議や文化庁長官の裁定の制度も用意されています。金額水準や徴収方法は施行までに指定団体の規程で定まります。
法令の原文はどこで確認できますか?
著作権法の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

関連する改正

一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年9月4日