薬機法の改正(医薬品の安定供給・薬局機能・濫用防止)

施行日:2026年5月1日ほか4段階で施行(次は2027年5月20日)

国会審議 → 施行までの進み方

施行済
  1. 国会審議
  2. 成立
  3. 公布
  4. 施行 2026年5月1日ほか4段階で施行(次は2027年5月20日)

この改正はすでに施行されています。

30秒でわかる:この改正のポイント

いつから 2026年5月1日ほか4段階で施行(次は2027年5月20日)
誰が対象 医薬品・医療機器・化粧品・健康食品の製造・販売・薬局に関わる事業者
何が変わる 安定供給の強化、薬局機能の強化、市販薬の濫用防止(指定濫用防止医薬品)などを整備
今やること 自社が取り扱う医薬品等が改正の対象か確認する(ほか4件は下のチェックリスト参照)

かんたん要約

  • ●医薬品・医療機器等の品質・有効性・安全性の確保等に関する法律(薬機法)等が改正されました(令和7年法律第37号・2025年5月21日公布)。
  • ●医薬品等の品質・安全性の確保、医療用医薬品の安定供給体制、創薬環境の整備、薬局機能の強化が4本の柱です。
  • ●市販薬の濫用防止のための販売方法の見直し(指定濫用防止医薬品)と要指導医薬品のインターネット販売は、2026年5月1日に施行済みです。販売現場では購入時の確認・情報提供が既に義務になっています。
  • ●次の節目は2027年5月20日で、薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売や、薬局の調剤業務の一部外部委託が施行されます。

対象となる人・企業

医薬品・医療機器・化粧品・健康食品の製造・販売・薬局に関わる事業者

改正前 → 改正後(何が変わる?)

改正前(これまで)

従来の医薬品販売・供給・薬局のルール

改正後(これから)

安定供給の強化、薬局機能の強化、市販薬の濫用防止(指定濫用防止医薬品)などを整備

※ 2025年11月20日・2026年5月1日・2027年5月20日の施行日は政令で定まっています。製造販売承認の一部変更手続の見直しだけは日付が未定で、公布後3年以内(2028年5月20日まで)です。最新の施行日は厚生労働省でご確認ください。

くわしい解説と実務への影響

段階的なスケジュール

  • 2025年5月21日 公布(令和7年法律第37号)
  • 2025年11月20日 安定供給確保に関する規定などが施行
  • 2026年5月1日 濫用のおそれのある医薬品の販売見直し・要指導医薬品のインターネット販売・条件付き承認制度の見直し・小児用医薬品の開発計画が施行
  • 2027年5月20日 品質保証責任者等の設置の法定化・調剤業務の一部外部委託・薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売が施行
  • 2028年5月20日まで 製造販売承認の一部変更手続の見直し(公布後3年以内に政令で定める日。2026年8月時点で未定)

薬機法改正はいつ何が変わる?

2026年5月1日:市販薬の濫用防止・要指導薬のネット販売

公布後2年以内:薬剤師の常駐なし店舗での販売・調剤の外部委託

公布後3年以内:製造販売承認の一部変更手続

制度の全体像

不正事案の発生等に伴う医薬品の供給不足や、創薬環境の変化に対応するための改正です(令和7年法律第37号)。厚生労働省は改正の柱として、①医薬品等の品質及び安全性の確保の強化、②医療用医薬品等の安定供給体制の強化等、③より活発な創薬が行われる環境の整備、④国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化等、の4つを挙げています。薬機法だけでなく、薬剤師法・医療法・麻向法・医薬基盤健康栄養研究所法もあわせて改正されています。

主な改正点

①品質・安全性:医薬品品質保証責任者と医薬品安全管理責任者の設置を法定化し、法令違反があった場合には薬事に責任を有する役員の変更命令を可能にします。②安定供給:医療用医薬品の供給体制管理責任者の設置と出荷停止時の届出を義務づけ、電子処方箋管理サービスのデータで需給状況をモニタリングします。後発医薬品の安定供給のための基金も設置されます。③創薬:条件付き承認制度を見直し、臨床的有効性が合理的に予測可能な場合等の承認を可能とし、小児用医薬品の開発計画の策定を努力義務化します。④薬局:調剤業務の一部外部委託、薬剤師等の遠隔管理下での一般用医薬品販売、濫用のおそれのある医薬品の販売方法の見直しが行われます。

誰に・どう影響するか

医薬品・医療機器・化粧品の製造販売業者と製造業者には、責任者の設置と役員の責任という形でガバナンス面の影響があります。医療用医薬品のメーカーには供給体制管理責任者の設置と出荷停止時の届出という新しい義務が生じます。薬局・ドラッグストアには、濫用のおそれのある医薬品の販売時確認と陳列、要指導医薬品のオンライン販売、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の店頭販売の運用見直し、そして中期的には調剤の外部委託と登録受渡店舗という選択肢が加わります。

実務上のポイント

施行が4段階に分かれているため、自社に関係する項目がどの段階かを最初に仕分けるのが実務の要です。2026年5月1日は販売現場の運用(濫用のおそれのある医薬品の確認・陳列、要指導医薬品のオンライン販売)に直結し、体制整備が間に合わないと販売そのものに支障が出ます。次の節目は2027年5月20日で、責任者の設置法定化、調剤業務の一部外部委託、薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売がここに入ります。社内の組織設計や委託先の検討には1年半以上の時間をかけられる計算です。

改正はいつから?4段階の施行スケジュール

今回の改正法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律・令和7年法律第37号)は2025年(令和7年)5月21日に公布され、施行はひとまとめではなく4段階に分かれます。e-Gov法令検索のリビジョンで確認すると、安定供給確保に関する規定などが2025年11月20日、条件付き承認制度の見直しと小児用医薬品の開発計画の努力義務化および濫用のおそれのある医薬品の販売方法の見直しが2026年5月1日、医薬品品質保証責任者・医薬品安全管理責任者の設置の法定化、医療用医薬品の供給体制管理責任者の設置等の一部、薬局の調剤業務の一部外部委託、薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売が2027年5月20日に施行されます。残る製造販売承認の一部変更手続の見直しだけは日付が政令で定められておらず、公布後3年以内(2028年5月20日まで)です。自社に関係する項目がどの段階かを先に確認しておくと、準備の順番を間違えずに済みます。

薬剤師が常駐しない店舗でも市販薬を受け取れるようになる(公布後2年以内)

「薬機法改正 2026 常駐」で調べられることが多い論点です。改正では、委託元の薬局・店舗販売業者の薬剤師等による遠隔での管理の下で、あらかじめ登録された「登録受渡店舗」に医薬品を保管し、購入者へ受け渡すことが可能になります。販売そのものは委託元の薬局・店舗販売業者が行い、販売に関する責任も原則として委託元が負います。購入者はスマホや受取店舗の販売機・店頭端末を通じてオンライン服薬指導を受け、店舗の販売機や従業員から医薬品を受け取る流れです。受渡側には登録受渡業者の登録、登録受渡店舗責任者の配置、医薬品の管理設備が求められます。なお委託元の薬局等と登録受渡店舗は当面の間、同一都道府県内とされ、制度導入後に課題を検証したうえでより広範囲での連携が検討されます。施行は公布後2年以内に政令で定める日で、2026年5月1日ではない点に注意してください。

薬局の調剤業務の一部を外部委託できる(公布後2年以内)

薬局・薬剤師の対人業務を充実させるため、薬局の調剤業務のうち定型的な業務の一部について、必要な基準を満たす場合に外部委託が可能になります。委託には薬局の所在地の都道府県知事等の許可が必要です。厚生労働省は定型的な業務の例として、複数の薬剤を服用する患者に対して服用時点ごとに一包にまとめる「一包化」を挙げています。人手をどこに振り向けるかという薬局の業務設計そのものに関わる改正です。

医療用医薬品は「処方箋に基づく販売」が原則に

医薬品の販売区分・販売方法の見直しでは、医療用医薬品について処方箋に基づく販売を原則とし、やむを得ない場合にのみ薬局での販売を認める形に改められます。やむを得ない場合として想定されているのは、医師の処方で服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元になく、診療も受けられず、一般用医薬品でも代用できないケースなどです。ただし漢方薬・生薬については、一般用医薬品から医療用医薬品に転用されてきた経緯を踏まえ、販売に支障が生じないよう対応するとされています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品を店頭で扱ってきた薬局は、運用の見直しが必要になります。

陳列にもルールができる(専門家から7メートル以内)

濫用のおそれのある医薬品については、陳列方法も定められます。①顧客の手の届かない場所に陳列するか、②一定の条件を満たす場合に専門家が配置される場所から目の届く範囲に陳列するか、のいずれかです。②の「目の届く範囲」は当該場所から7メートル以内とされ、条件として、販売または情報提供を行う場所に継続的に専門家を配置し、購入する医薬品と購入者の状況を適切に確認できる体制を整備することが求められます。売り場のレイアウト変更が必要になる店舗もあるため、施行前に什器配置の確認をしておくと安全です。

対象となる「指定濫用防止医薬品」とは

市販薬(OTC医薬品)の過量服用(オーバードーズ)対策として、これまで「濫用等のおそれのある医薬品」と呼ばれていた成分が、2026年5月1日施行の改正で「指定濫用防止医薬品」へと位置づけ直されます。対象はエフェドリン、ブロモバレリル尿素、コデイン、プソイドエフェドリン、ジヒドロコデイン、メチルエフェドリンの6成分です。これらを含む市販薬を扱うドラッグストア・薬局は、施行日以降、後述の販売時対応が求められます。

販売時に求められる確認・情報提供(2026年5月1日〜)

指定濫用防止医薬品を販売・授与する際、薬局・ドラッグストアには購入者への確認と情報提供が義務づけられます。具体的には、他の店舗での購入状況や他の指定濫用防止医薬品の購入の有無を確認し、複数個または大容量の製品を購入する場合はその理由を確認します。さらに、一定の年齢未満の若年者は1箱(少量)しか購入できず、薬剤師または登録販売者が対面またはテレビ電話などを用いて販売することが求められます。事業者は、これらに対応した販売体制(手順書の整備・従業員教育・レジ運用の見直し等)を施行日までに準備しておく必要があります。

要指導医薬品のインターネット販売が可能に

同じ2026年5月1日施行の改正では、要指導医薬品の販売方法も見直されます。薬剤師の判断により、オンライン服薬指導で必要な情報提供などを行ったうえでのインターネット販売が可能になります。ただし、適正使用のために必要な確認を対面で行うことが適切な品目については、これまでと同様に対面での販売が求められます。要指導医薬品を扱う事業者は、オンライン服薬指導の体制と、対面販売を維持すべき品目の切り分けを確認しておくとよいでしょう。

市販薬の濫用防止:改正前後の対照

改正前

  • –「濫用等のおそれのある医薬品」として6成分を規定
  • –購入時の確認・情報提供の運用
  • –要指導医薬品は原則対面販売

改正後(2026年5月1日〜)

  • ✓「指定濫用防止医薬品」へ位置づけ直し(6成分:エフェドリン等)
  • ✓他店舗・他品目の購入状況や、複数個・大容量購入の理由を確認
  • ✓若年者は1箱のみ・薬剤師等が対面またはテレビ電話で販売
  • ✓要指導医薬品はオンライン服薬指導を経たインターネット販売が可能(対面適切品目は対面継続)

令和7年薬機法等改正の段階施行

2025年11月20日 施行済み

安定供給確保に関する規定など

2026年5月1日 施行済み

濫用のおそれのある医薬品の販売見直し(指定濫用防止医薬品)・要指導医薬品のインターネット販売・条件付き承認制度の見直し・小児用医薬品の開発計画の努力義務化

2027年5月20日 次の節目(施行日は確定)

医薬品品質保証責任者・安全管理責任者の設置の法定化/供給体制管理責任者の一部/薬局の調剤業務の一部外部委託/薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売

2028年5月20日まで 公布後3年以内に政令で定める日(未定)

製造販売承認の一部変更手続の見直し(中程度の変更の類型化)

出典: 厚生労働省「令和7年法律第37号の概要」、e-Gov法令検索の法令リビジョン

経過措置・猶予

4段階の施行です。原則の部分は2025年11月20日に、条件付き承認制度の見直し・小児用医薬品の開発計画・濫用のおそれのある医薬品の販売見直しは2026年5月1日に、それぞれすでに施行されています。品質保証責任者等の設置法定化・調剤業務の一部外部委託・薬剤師等が常駐しない店舗での一般用医薬品販売は2027年5月20日に施行されます。製造販売承認の一部変更手続の見直しだけは施行日がまだ政令で定められておらず、公布後3年以内(2028年5月20日まで)です。

対応チェックリスト

自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。

0 / 5 完了

※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。

よくある質問

ドラッグストア・薬局は何をすべき?
市販薬の濫用防止のための「指定濫用防止医薬品」について、販売時の購入者確認や情報提供などの対応が求められます。あわせて陳列も、顧客の手の届かない場所か、専門家が配置される場所から7メートル以内の目の届く範囲か、いずれかにする必要があります。段階施行のため、施行時期ごとの対応の確認が必要です。
薬剤師がいない店舗で市販薬が買えるようになるのはいつから?
2027年5月20日です。2026年5月1日施行分には含まれません。委託元の薬局・店舗販売業者の薬剤師等が遠隔で管理し、登録された「登録受渡店舗」で医薬品を受け渡す仕組みで、販売の責任は原則として委託元が負います。委託元と登録受渡店舗は当面の間、同一都道府県内に限られます。
薬局の調剤業務の外部委託はどこまで認められる?
定型的な業務の一部について、必要な基準を満たす場合に、薬局の所在地の都道府県知事等の許可を受けて外部委託できます。厚生労働省は定型的な業務の例として一包化(服用時点ごとに複数の薬剤を一包にまとめること)を挙げています。施行は2027年5月20日です。
2026年5月1日に施行されたのは何?
濫用のおそれのある医薬品(指定濫用防止医薬品)の販売方法の見直し、要指導医薬品のインターネット販売の解禁、条件付き承認制度の見直し、小児用医薬品の開発計画の策定の努力義務化などです。いずれも施行済みで、販売現場の運用は既に切り替わっています。
次に変わるのはいつ・何?
2027年5月20日です。医薬品品質保証責任者・安全管理責任者の設置の法定化、薬局の調剤業務の一部外部委託、薬剤師等が常駐しない店舗(登録受渡店舗)での一般用医薬品販売がこの日に施行されます。組織体制や委託先の検討はこの日から逆算して進めてください。
薬機法の改正(医薬品の安定供給・薬局機能・濫用防止)はいつから施行されますか?
2026年5月1日ほか4段階で施行(次は2027年5月20日)です。(すでに施行されています)
対象になるのはどんな人・企業ですか?
医薬品・医療機器・化粧品・健康食品の製造・販売・薬局に関わる事業者が対象です。自社が該当するかは個別にご確認ください。
何が変わりますか?
これまで「従来の医薬品販売・供給・薬局のルール」だったものが、「安定供給の強化、薬局機能の強化、市販薬の濫用防止(指定濫用防止医薬品)などを整備」に変わります。
注意しておくことはありますか?
2025年11月20日・2026年5月1日・2027年5月20日の施行日は政令で定まっています。製造販売承認の一部変更手続の見直しだけは日付が未定で、公布後3年以内(2028年5月20日まで)です。最新の施行日は厚生労働省でご確認ください。
法令の原文はどこで確認できますか?
薬機法(医薬品医療機器等法)の条文は、e-Gov法令検索(デジタル庁)で確認できます。本ページ下部のリンクからアクセスできます。

この改正に出てくる用語

一次情報・出典

この記事は法改正の概要をわかりやすくお伝えするものであり、法律上のアドバイスではありません。 施行日・金額・要件などは変更される場合があります。実際の対応にあたっては上記の一次情報をご確認のうえ、 個別の事案は社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

この改正情報の最終確認日:2026年9月4日