早期事業再生法(新法・金融債務の早期調整手続)
施行日:2026年12月11日施行
国会審議 → 施行までの進み方
施行まであと77日- 国会審議
- 成立
- 3 公布
- 4 施行 2026年12月11日施行
公布済み。施行まであと77日です。
30秒でわかる:この改正のポイント
| いつから | 2026年12月11日施行 |
|---|---|
| 誰が対象 | 経営の立て直しを検討する事業者(法務・財務部門)、金融機関 |
| 何が変わる | 第三者の関与+金融機関等の多数決+裁判所の認可で、金融債務に限った早期の調整手続を新設 |
| 今やること | 資金繰り・債務の状況を早めに把握する(ほか3件は下のチェックリスト参照) |
かんたん要約
- ●経営が苦しくなるおそれのある事業者が、早期に事業再生へ取り組めるようにする新しい法律です。2025年6月に成立し、2026年12月11日に施行されます。
- ●経済産業大臣が指定する公正な第三者(指定確認調査機関)の関与のもと、金融機関等の多数決(議決権総額の4分の3以上の同意等)と裁判所の認可により、金融債務に限って権利関係を調整できます。
- ●取引先などの商取引債務は対象外なので、事業を続けながら再生に取り組めます。手続開始時の公示もありません。
- ●正式名称は「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律」です。
対象となる人・企業
経営の立て直しを検討する事業者(法務・財務部門)、金融機関
改正前 → 改正後(何が変わる?)
改正前(これまで)
倒産前の事業再生は私的整理(全債権者の同意が必要)や法的整理に限られていた
改正後(これから)
第三者の関与+金融機関等の多数決+裁判所の認可で、金融債務に限った早期の調整手続を新設
※ 2026年6月30日に制度詳細を定める省令・告示が公布され、あわせて法令解釈を示したQ&Aが公表されています。制度を検討する場合は経済産業省のQ&Aを確認してください。
くわしい解説と実務への影響
段階的なスケジュール
- 2025年3月4日 法案が閣議決定・第217回通常国会に提出
- 2025年6月 成立(令和7年法律第67号)
- 2026年6月30日 制度詳細を定める省令・告示を公布、あわせてQ&Aを公表
- 2026年12月11日 施行
早期事業再生の手続(新法)
経営悪化のおそれ
第三者関与+金融機関3/4同意+裁判所認可
金融債務を調整(事業は継続)
制度の全体像
経済的に苦しくなるおそれのある事業者が、早期に事業再生へ取り組めるようにする新しい法律です(正式名称「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律」)。事業価値の毀損や技術・人材の散逸を防ぐことが狙いです。
手続のしくみ
経済産業大臣が指定する公正な第三者の関与のもと、金融機関等である債権者の多数決(議決権の総額の3/4以上の同意等)と裁判所の認可により、金融債務に限って権利関係を調整できます。取引先などの商取引債務を対象外とすることで、事業を続けながら再生しやすくする狙いです。
背景
日本企業の債務残高はコロナ禍前より120兆円以上増加し、2024年の倒産件数は11年ぶりに1万件を超えました。経済の新陳代謝を促すための制度基盤です。
2026年6月30日に省令・告示とQ&Aが出そろった
経済産業省は2026年6月30日、制度の詳細を定める省令(施行規則)と告示を公布し、あわせて法令解釈を示したQ&Aを公表しました。省令では、金融機関等・貸付債権等の範囲(第2条〜第5条)、指定確認調査機関による確認・調査事項(第8条・第17条)、一時停止の要請の対象(第11条)、労働組合等への通知(第13条)、指定確認調査機関の指定・業務等(第29条〜第42条)、確認事業者(債務者)に係る特例(第43条〜第46条)が定められています。告示は、確認事業者が有する資産・負債の資産評定の基準を定めるものです。Q&Aは、制度の利用対象となる債務者(Q1〜4)や制度の対象となる債権者・債権(Q5〜42)などを解説しています。自社が利用対象に当たるかは、まずQ&Aで確認するのが早道です。
私的整理・法的整理とどう違うか
従来の私的整理は原則として全債権者の同意が必要で、1行でも反対すれば成立しませんでした。法的整理(民事再生・会社更生)は手続が公開されるため、取引先や顧客の信用不安を招きやすいという難点があります。早期事業再生法は、手続開始時の公示がなく、対象を金融債権に限定したうえで多数決(議決権総額の4分の3以上の同意等)と裁判所の認可で成立させる、その中間に位置づく制度です。
2025年6月に成立・公布されました
この法律は2025年(令和7年)3月4日に閣議決定され第217回通常国会に提出されたあと、衆議院を5月30日に通過し、6月6日に参議院本会議で可決されて成立しました。6月13日に「令和7年法律第67号」として公布されています。正式名称は「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律」です。
施行日は2026年12月11日に決まりました
施行の時期は附則第1条で「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とされていましたが、政令により2026年12月11日と定まりました。経済産業省は2026年6月30日、施行に向けて制度詳細を定める省令(施行規則)と告示を公布し、あわせて法令解釈を示したQ&Aを公表しています。省令では金融機関等・貸付債権等の範囲(第2条〜第5条)、指定確認調査機関による確認・調査事項(第8条・第17条)、一時停止の要請の対象(第11条)、労働組合等への通知(第13条)、指定確認調査機関の指定・業務等(第29条〜第42条)、確認事業者に係る特例(第43条〜第46条)が定められました。告示は資産評定の基準を定めるものです。
手続の仕組みと罰則(条文の要点)
法律では、経済産業大臣の指定を受けた「指定確認調査機関」が公正・中立な第三者として関与し、対象債権者集会で議決権の総額の4分の3以上の同意による権利変更決議が成立し、さらに裁判所の認可を受けることで、金融債務に係る権利関係を調整できます。あわせて罰則章が設けられ、対象債権者を害する目的で行う詐欺的な権利変更などには、10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金が科されます。
成立から施行までの流れ
第217回通常国会
指定確認調査機関の指定・業務、資産評定の基準など
この日から制度を利用できる
出典: 参議院 第217回国会 議案情報・法律第六十七号本文
従来の事業再生とこの法律の手続
改正前(従来)
- –倒産前の私的整理は全債権者の同意が必要
- –それ以外は法的整理に限られていた
新法(令和7年法律第67号)
- ✓経産大臣が指定する公正・中立な第三者(指定確認調査機関)が関与
- ✓議決権の総額の4分の3以上の同意による権利変更決議
- ✓さらに裁判所の認可を受けて成立
- ✓金融債務に限って権利関係を調整できる
経過措置・猶予
2025年6月成立、2026年12月11日施行。2026年6月30日に省令・告示が公布され、Q&Aも公表されました。
対応チェックリスト
自社で行う対応の一例です。チェックを入れると進捗がこの端末に保存されます(サーバーには送信されません)。
※ 一般的な対応例です。個別の要否は専門家にご確認ください。
よくある質問
今すぐ使える制度?
取引先への支払いも減額されるの?
全部の金融機関の同意が必要?
倒産していないと使えない?
早期事業再生法(新法・金融債務の早期調整手続)はいつから施行されますか?
対象になるのはどんな人・企業ですか?
何が変わりますか?
注意しておくことはありますか?
法令の原文はどこで確認できますか?
一次情報・出典
- 経済産業省(早期事業再生法の12月11日施行に向けQ&A等を公表・2026年6月30日)
- 経済産業省(早期事業再生について)
- e-Gov法令検索(令和7年法律第67号)
- 参議院(第217回国会 議案情報)
- 参議院(法律第六十七号 本文PDF)
この改正情報の最終確認日:2026年8月29日